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2006/11/22 (Wed)
アイスオーガー  
今日から1月下旬まで日は沈まない.

海底探査は終了したが,今回持ち込んだ機材の中で最も汎用性の高いモノはなんといっても海氷掘削ドリルであろう.海氷に大きな孔さえ開けられれば,海氷域の観測は一気に幅が広がる.大抵の観測機材を投入することができるし,ダイビングで人が潜ることも出来なくはない.

観測隊で用いているドリル(アイスオーガー)には何種類かある.以下,口径の小さいモノから紹介する.

imageルート工作などで海氷厚を測ったり旗竿を立てたりするために,径3cm程度の孔をあけるもの.動力は電動モーター.

image もともと,氷コアを採取するためのバレル型ドリル.筒状になっていて,中に直径5cmのコアが収まる.コアの周りを削りながら掘っていくので,これで開けた孔は直径8cmほどになる.動力は電動モーター.エクステンションを最も長くつなぐことができ,大陸氷床上で深さ20mぐらいまで掘った実績もあるとか.最近では,採水のために海氷に7-9m深の孔を開けた.

image主に海洋生物観測に用いられるドリルで,直径20cmの孔ができ,トラップや小型採水器を投入できる.動力にエンジンを使うので,扱いが難しく,エクステンションも少ないのであまり深くまで掘れないが,人力で運搬・操作できるドリルの中では最大径.

そしてこれが,今回用いた海氷掘削ドリル.一番左のはコアバレルドリル.まずこれで先進導孔を開け,次に真ん中の10cmドリルで孔をひろげ,最後に右側の歯で直径60cmの大きな孔に仕上げる.動力は電動モーターを用いるが,人力で支えることができないので,専用のそりに搭載したボーリングマシンで操作する.

どのドリルにしても,何度も孔をあけて海氷に切れ込みをつくって,大きな孔に仕上げることも可能だが,それなりに体力と時間を使う仕事になる.海氷が厚かったり,低温の固い氷だったりするともっと大変.

imageということで,今日は,我々の海氷掘削ドリルをつかって,ドリルの径よりも大きな孔を開ける試験を実施.とりあえず隣接した4つの孔を開けて,大きくできるか試してみた.みごとに半日で大きな孔にすることに成功.写真の手前にある氷の柱は,四つの孔の交点にできた切りしろ.

同様の作業を繰り返せばいくらでも孔を大きくできる.基本的にボーリングマシンの操作だけなので体力もいらない.これだけの孔を他のドリルで開けようとしたら数日かかるが,これならば一日もあれば相当大きな孔ができるだろう.

ボーリングマシンのほうは,一回の上下ストライクの長さやそりの取り回しなどに関して改良すべき点がいくつかあるけれども,今後,もし海底探査プロジェクトが継続できて,将来的に本格的な海底ボーリングが実現するようなことがあっても,この技術を使えば海氷の問題は克服できることを確信した.そのほかの分野の調査にも適用できる.できればこの操作技術を受け継いで,もっとJAREで活用してもらいたいところだが,リーダーは持ち帰るといって聞かない.


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